合唱曲「春に」の魅力

好きな作品

みなさんこんにちは、おかずっちです。

今回は前回に引き続き、僕が最近魅力的だなと感じた作品について

その魅力のポイントを伝えていきます。

素晴らしい作品に出会いたい、そんな方には興味をそそる内容になっています。

また、今回は

「感情って心の中にどうやって存在しているの?」

「感情が分からなくてつらいよ」

と、感情の整理がつかない方にとっても、新たな発見につながると思います。

ぜひ、最後までみてみてください。

大人になって魅力に気づいた作品たち その2

まだ紹介できていない作品は以下の3つです

  • 春に(合唱曲)
  • 聞こえる(合唱曲)
  • MOTHER(テレビゲーム)

結果的に今日は「春に」のみの紹介となりました。

春に

谷川俊太郎の作品である「春に」は、同氏の詩集「どきん」に収録されている詩です。

中学合唱曲の中では人気の曲で、僕がてきとーに調べたホームページでは

全国の音楽の先生が選ぶ校内合唱コンクール人気曲ランキング

3年生の部で2位に選ばれています。

とても人気な曲だと思います。

僕は中学生の時歌うことはありませんでしたが、他の学級が歌っていたのを覚えています。

並存する感情を表現

僕がとても心惹かれた部分を一部抜粋します

よろこびだ しかしかなしみでもある

いらだちだ しかもやすらぎがある

あこがれだ そしていかりが かくれている

よどみ 渦まき せめぎあい

いま あふれようとする

このきもちは なんだろう

正直、中学生の僕には意味不明でした。

「セメギアイ」ってなんだ?

という疑問があるくらいで、詩の内容についてはちんぷんかんぷんでした。

でも、いまならわかります。

久しぶりにこの詩を見たときに

「ああ、そういうことあるよね」「そういうことを言っていたのか」

と、わかるようになった自分に正直びっくりしました。

そういう点で、この詩と再度出会ったときに

自分の成長にドヤったのを覚えています。

感情が並存する具体例

喜び・悲しみ

私はいま子育てに励んでいますが、子供が言葉をしゃべるようになるっていうのはとても嬉しいものです。

でも、それと同時に「あの”あうあう”とか”なーなー”っていう時期は終わってしまったんだ」

と少し悲しくなったりします。

もう少しさかのぼると、私は兄の身長に追いついたときに、素直に喜べない自分がいました。

得意になって兄に挑んだものの、どう振舞ったら良いかその場で分からなくなってしまったんです。

たぶん、兄に気を使ったり、兄に守られていたいという思いがありましたし

弟というのは兄よりも弱い存在であるべき、という自分に対する決めつけと、それに反する不安がありました。

何かを得ることと失うこと

そのようなわけで

何かを得るという出来事には何かを失うということもついてくるので

このようなときに

いい気持ちと不快な気持ちが混在するのだと思います。

こういう感情って、違和感、として感じられる程度なので

対した問題にもならずに通り過ぎてしまうのだと思いますが

改めて振り返ると理解できますね。

苛立ち・安らぎ

これを聞いたとき、わたしは自分の母親を思い出します。

母親に学校での出来事やイライラしたことを話し

そして「わかってもらえない」といらだちを覚えていた自分を思い出します。

それでも大部分では

作ってもらった料理や、家に帰ると必ずいてくれる母親に

やすらぎを覚えていたのも事実です。

一方的な人間関係

私たちは人に対して一方的に求めることをしがちです。

私の場合、昔つるんでいた友達なんていうのは

自分の不安を解消するためになんとなくいただけ

ということが多かったです。

自分が求めている間はそれが心地よく、そしてやすらぎになりますが、

自分が求めている以上の反応が返ってきたり

自分が求めていない反応が返ってくると、私たちはいらだちを覚えます。

昔一緒にいた友達に対して、しつこい、とか、裏切られた、などと感じたことはありませんか?

互いに思いやる人間関係

「最初仲良い人って、大体後から嫌いになるんだよな」

このパターンに陥っている方は、ぜひ自分が大切にしていることや本音を

人に話してみてください。

これはきっと怖いことですし、勇気がいることです。

でも一緒に活動する人なら、きっと理解してくれるはずです。

そして、相手から自分が大切にしていることを大切にしてもらえたとき

初めて、一方的ではなく

互いに思い合う関係を築くことができるようになります。

そうすると、自分がはまっていた人間関係のパターンから

抜け出すことができるかもしれません。

私はしばらく仲の良い友達がいますが

いつも本音を話せるわけではないですし、

嫌われるんじゃないか、と不安になることもあります。

でも勇気を出して、連絡をとるようにしています。

そうすると、相手の反応に安心したり

自分の思いこみだったことがわかり

安らぐこともできますよ。

あこがれ・怒り

これはわかりやすいのではないでしょうか。

周囲を見れば、かっこいい人

かがやかしい人はいませんか。

そういう人をみて

「じぶんもああなりたい」と気持ちが高まるときもあれば

「自分にはできない、だめだ」と落ち込むこともあるでしょう。

あこがれの人が、よくよく知ると自分が思っていた人とは違った、

というときに、とたんにその人のことが嫌になる

ということもあると思います。

あこがれには、希望となるポジティブな感情と

嫉妬や裏切られた、といった怒りが潜んでいるのです。

日常における感情の並存の例

人は同時にいくつもの感情を抱えて生活しています。

「今日は台風だから大変だけど、仕事に堂々と遅刻できるから嬉しい」とか

「初めての学会発表は不安だけど、ちょっとドキドキワクワク」とか

同時に2つ以上抱えていることは普通なことです。

ちなみに私が熱心に取り組んでいた精神科の領域では

認知行動療法という治療方法がありますが

この中でも自分が抱える感情を探る、という作業が含まれます。

とらえがたい感情の渦、コントロールできない不安、溢れ出るエネルギー

「春に」は小学校6年生の音楽の教科書に収録されているほか

中学1・2年生の合唱コンクールの課題曲にも選ばれることが多いようです。

ちなみに私の出身中学校では2年生の合唱コンクールの課題曲でした。

中学1・2年生というと、自分から溢れ出すエネルギーや欲求に

コントロールがつかないほど突き動かされる時期ではないでしょうか。

それは気持ちのいい感覚ではありますが

焦りや心臓の拍動といった落ち着かない不快感もなり得ます。

詩の一部を抜粋します

このきもちはなんだろう

あの空の あの青に 手をひたしたい

まだ会ったことのない すべての人と

会ってみたい 話してみたい

あしたとあさってが 一度にくるといい

ぼくはもどかしい

地平線のかなたへと 歩きつづけたい

そのくせ この草の上で じっとしていたい

声にならない さけびとなって こみあげる

このきもちは なんだろう

私が精神科に身を投げ打って

「自分に何かできないか」「何か役立ちたい」

とがむしゃらになっていた時期に

確かに感じられる希望の感覚

自分にできる全ての力を発揮したいと焦る気持ち。

確かな答えもなく、目標もなく

突き動かされる不安、不快な感覚

こういった感情の体験をしたからこそ

初めて自分の力を発揮しようとする人の

希望と混乱に満ちあふれた心を

この「春に」が的確に表しているなと

この詩の素晴らしさに触れることができたのだと思います。

終わりに

残りの3作品を全て紹介できるのではないか

と思っていましたが、

全く紹介しきれませんでした。

明日以降残りの作品について紹介したいと思います。

ではでは、失礼します。

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