みなさんこんにちは、おかずっちです。
突然ですけど、あなたの回すグループワーク
そのまま始めてちゃ、何の意味もないかもしれないですよ?
今回はグループワークを始める際に、進行役が必ずするべきことについて説明します。
これを読めば参加者がグループワークに没頭する導入の仕方がわかります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
おかずっちのグループワーク遍歴
僕は精神科で10年間働く中で患者さんのための集団心理社会的プログラムを2部署で立ち上げ
職員と取り組むメンタルヘルスプログラムを立ち上げ、以後6年間継続し
高校でのメンタルヘルスの知識向上を目的とした授業もここ6年間毎年担当しています。
また、現在月に一度の集団精神療法訓練グループに参加しています。
継続してできていることも多いので、参加者にとって一定の満足感が得られるプログラムを提供できているんじゃないかと感じています。
人に見せて教えられる、数少ない得意分野の一つです。
言葉の整理
グループワークとは
いわゆる複数人が集まって作業すること。目的はあってもなくても、3人以上が集まって作用し合えば、グループワークに位置付けます。
プログラムとは
ある目的達成のために集まる会の全体のこと。挨拶から始まり、終わりまで。
ファシリテーターとは
「ファシリ」「ファシ」などと略すことが多いですが、つまり会の進行役のことです。いろんな呼び方がありますが、私のブログではこう読んでいます。一応ちゃんとした理由はあるのですが、ひとまずそういうもんか、程度で大丈夫です。
プログラムのテンプレート
まずここで私がよくやるプログラムの流れを示したいと思います。
この流れで失敗することはありませんでした。
- 挨拶、自己紹介、今日の主なテーマ紹介
- 本日の流れの説明
- 本日の内容説明
- 個人ワーク
- グループワーク
- グループから出たアイデアを復唱する
- 今日やったことを振り返る
イメージできますか。
できるか!!という声が聞こえてきそうなので具体的に説明します。
僕はこれまで健康や治療や回復をテーマにすることが多かったので、何か健康に興味のある人たちが集まって、話を聞いたり作業したり、というざっくりとしたイメージを持っていただければいいかなと思います。
プログラムの具体例
たとえば、「毎日すべきことリストの作り方」というプログラムの場合
「本日担当する〇〇です」から自己紹介をして「今日は毎日すべきことリストについて取り組みます」などと内容を紹介し、プログラムの流れをホワイトボードを見ながら説明します。
次に、本題の説明をします。
まず、自分が毎日すべきことをしないことで困ったことや、毎日すべきことの大切さに気づき、実践するようになったきっかけ、実践してみて良かったこと、継続するコツなどを話します。
説明をしたら参加者に取り組んでもらいます。
関係する課題を提示して個人に取り組んでもらいます。例えば「私の毎日すべきことの体験を書き出す」などです。
そして、個人の体験を発表してもらいます「ねる前に皿を洗う」などです。
発表内容は参加者のそのままの言葉でホワイトボードに書き込んでいきます。
最後に書き込んだこと全てを僕が読んで確認し、会を終わります。
こんな感じです。
イメージできましたでしょうか?
時間の違いや、ツールの違いなどはあるにしても、だいたいこの構造でプログラムができます。
説明する前に必ず体験を語る
本題をする前に僕が必ずやること
それは
自分の体験を話す、ということです。
そして、話す体験とは
進行役自身の、困りごとと、それを解決(回復)したストーリー
です。
たとえば、先の「毎日すべきことリストをつくる」では
作り方を説明する前に
必ず司会者がそれをやるに至った経緯ややってみて良かったことなどを話します。
ファシリテーターが体験を語る意味
参加者の信用を得る
ファシリテーターが体験を語る意味については、たとえば
私たちが登山グッズをどんな店員さんから買うか?
を考えることで理解できます。
たとえば富士山の登頂に必要なグッズを買いに行ったとします
店員Aさん
「僕は富士山は登ったことなくて、近くの〇〇山しか登ったことがないんですけど・・・この靴が合っていると思いますよ」
店員Bさん
「僕は富士山に登ったことがあるんですけど、意外と岩場が多くて足場がぐらつくし、石が落ちてくることもありました。そのときに、この靴だと安定感があって疲れにくかったし、落石にぶつかっても痛くなかったです。少し高いけどこれが絶対におすすめです。」
どっちの店員さんから買いますか?
これはもうBさん一択ですよね!?
私たちは信用のない人からすすめられたことは受け入れにくいものです
どんなに正しいことを言われても
信用のない人から言われたのでは受け入れることができません。
あなたが本当に参加者に変化を求めるのであれば、
本題の説明と同じくらい、自分の体験を語ることも重要視すべきです。
参加者に共感を示す
これも実体験からわかりますが、
たとえば自分が学校で何か悪いことをしてしまった時に自分も辛い思いをして
反省して親に相談したとします
その時に
「でもあなたが悪いんでしょ」
っていわれたらどうですか?
ただただ落ち込むだけですよね。
せっかく反省の気持ちはあるのに、自分の何かを変えよう、とは思えないと思います。
私たちは自分が抱える複雑な気持ちを「わかってもらえた」と思った時に初めて
その人の話を聞こうと思います。
私たちがプログラムの参加者に話を聞いてもらいたいと思うのであれば
参加者に共感を示し、共感が得られたかどうかを確認することが重要です。
この時共感のポイントは
感情に共感を示す
ということです。
「私は今はこうやってみなさんに説明する立場ですが、以前は〇〇のようなことがあって、大変な思いをしました。〜。」
などと体験を語ることで
「あ、この人は私と同じ大変さを味わったのかもしれない」
「この人は大変さをわかってくれている」
と思ってもらうことが重要です。
参加者の希望を鼓舞する
プログラムに参加する人は大抵は何か困りごとを抱えているか、伸び悩みを経験しています。
なかには絶望的な気持ちで参加しているひともいるでしょう。
そのような人たちは不安や警戒心が強かったり
「わかってもらえない」などと思っているかもしれません。
このままでは、参加者の発言量が少ないままになってしまいます。
もしかしたら、次回から参加してくれないかもしれません。
グループワークを実りのある、満足感の高いものにするためには
参加者の発言量を増やし
相互作用を起こすことが重要です。
そしてその基本を作るのが、体験を語ることなのです。
司会者は自分が困り事から回復したストーリーを語ることで
参加者に
「自分のことを話してもいいのかもしれない」
「ここで何かとりくめば自分を変えられるかもしれない」
と希望を持たせることができます。
参加者の中にはその希望を挫く質問をしてくる人もいます。
「あなたはそう言いますが私は××な状況なんです。それでもあなたのいうことが役に立つって言えるんですか?」
みたいな感じです。
私たちはそのような質問に対しても
今回取り組むことの大切さを信じている、変わることができる
ということを体験から語り
参加者の希望を鼓舞する必要があります。
そのためには、日頃から自分の体験を語る練習をすることが役に立ちます
まとめ
1.大体のプログラムはテンプレートで対応できる
- 本日の流れの説明
- 本日の内容説明
- 個人ワーク
- グループワーク
- グループから出たアイデアを復唱する
- 今日やったことを振り返る
2.説明の前に自分の体験を語る
3.体験を語る意味は3つある
- 信用を得る
- 共感を示す
- 希望を鼓舞する
おわりに
コロナで大変なこのご時世にグループワークなんて需要あんのか?
と思ったりもしましたが
自分は現在zoomを活用した授業の展開もしていて
今回説明したテンプレートで大体授業もできています。
また、zoomを利用した集団精神療法では
最近自分自身について重大な気づきが得られて
成長にもつながっています。
みなさんの役にも立てるかなと思い書きました。
お役に立てたら嬉しいです。
ちなみに
先日誕生日を迎えたのですが、
妻が自分が好きなゲーム「MOTHER2」の主人公が描かれたチョコの載っている
ケーキを買ってきてくれてテンション上がりました。
自分が大切にしていることを大切にされているというのはとても嬉しいです。
ではでは、失礼します。
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