夢の実現に向けて具体的な戦略を立てる
というプログラムで
ある参加者(以下Aさん)が手を挙げ
「世界の平和。ワンラブ」と言いました。
司会の私は凍りついてしまいました。
参加者に助けられる体験
どうもこんにちは、おかずっちです。
今回はグループワーク進行で思わず凍りついてしまうような
困った時にどうするか、そのヒントになる体験談をおつたえします。
さて、冒頭の場面で
私はそれを自分の夢だと主張することに戸惑いましたし
どう取り組んだら良いのか分からず困ってしまいました
しかし、
「ええい、やるしかない」
と考え、この方の夢についてグループで取り組むことにしました。
「どうでしょう、みなさん、Aさんの夢について、何かできる、思いつくかたはいますか?」
と参加者に話題を振ると
ある参加者(以下、Bさん)が
「じゃあ、昔の何かすごいことをした人が書いた本を読んでみたらいいんじゃないか」
と言いました。
他にもいくつかアイデアが出されました。
会の終わりにAさんは
「ここに参加して、本当によかったです。みなさんありがとうございました」
と言いました。
私は胸を撫で下ろしていました。
司会者が問題解決に走らない
- グループワークの進行に問題が生じた時
- なかなか課題解決に向かわない時
司会者はとても焦りを感じます。
この焦りに飲まれてしまうと
司会者は自分で問題を解決しようと奔走します。
- 問題の解決に執着して喋りまくったり
- 特定の参加者と問答を繰り返したり
- 答えを決めつけたり急いだり
などをしがちです。
このような時に司会者は
スケジュールを意識し、グループが動き出すのをじっと待つ
これだけでいいです。
へたに問題解決しようとしなくてもいいんです。
時間の枠組みさえしっかりしておけば
グループは多くの場合、前に進もうとします。
思うように進まなくても、思わぬタイミングでグループが歩み始めることがあります。
そして、課題が解決されなくても
何も生まれなくてもいいのです。
その時のグループはそれまでのグループだったのです。
特に、継続的に開催しているプログラムならば
その「何も生まれなかった」ということも
次のプログラムに影響を与える大切な経験なのです。
そうして余裕ができたら、一人で抱えず
グループ全体に質問や話題を投げかけましょう
司会者がパニックを起こさない
私がこれを振り返り自分の行動の良かったところを挙げるとすれば
パニックに陥らなかったということです。
当時私は経験から
グループの責任はグループがとる
何かが生まれるのも、生まれないのもグループ次第
というスタンスをとっていたので
このときも「ええい、やってみよう!」
という気持ちで落ち着いて取り組むことができました。
その結果、参加者に問いかける、ということが
ができました。
パニックを起こさないことは非常に重要と考えます。
参加者の質問はそのまま別の参加者にふる
今回の話題のグループは精神科スーパー救急病棟の談話ルームで行った集団心理社会的プログラムの一場面です。
最初に「世界平和」と言ったAさんは、その日に隔離室という鍵のかかる何もない部屋から出てきたばかりの統合失調症と診断された方でした。
Aさんは、急性期の一時的な認知障害や混乱から発言が支離滅裂だったり
感情が不安定な状態でした。
そして、アイデアを出したBさんも同じく統合失調症と診断された方で
入院して休息をとり症状が落ち着いてきた方です。
同じ辛い経験をしたからこそ、とっぴとも思える発言を笑うことなく
心に染みるアイデアを出してくれたと思います。
そして、同じ境遇のかたの発言だったからこそ
Aさんも受け止めることができたのだと思います。
同い境遇、経験をもつ人の発言は
講師の発言よりも重みを持つことがあります。
司会者は自分の経験からアイデアが出ない時や質問を受けた時には
「〇〇さんはこのようにおっしゃっていますが、みなさんはなにか思いつくことはありますか」
「〇〇さんはこのように困っています。だれか、自分の経験からなにか話していただける方はいませんか」
など、なるべく参加者に投げかけるようにしましょう。
きっと素晴らしいアイデアが出てくるはずです。
おわりに
パニックを起こさないために役に立つことは
他にもスケジュールを手元に置くとか
お気に入りのグッズを手元に置くとか
自分はそんなことをやっています。
皆さんはいつもの自分のメンタルを保つために
何を持ち歩いていますか?
意識してそういう道具を使うと
落ち着いて対応することができるのでオススメです。
今日は「グループワーク進行で困った時に役立つ考え方と行動」でした。
ではでは、失礼します。
コメント